masun_tan’s diary

深い事を語りたいブログ

恋愛小説Part3

 

彼女は学校生活も、残り僅か、

彼とは相変わらず、毎日のように

会い続けていた

 

学校が終わると、毎日彼が家にやってくる

彼女にとっては

初めての彼氏

 

彼女の両親は

心配はしていたが

彼の人柄を信じているようだった。

 

次第に彼は

自分の衣類を持ってくるようになり

彼女のタンスに勝手に仕舞い込む。

 

彼は地元を離れ

就職先は、寮生活だった。

 

彼女はそんな彼の行為を嫌がる事もなく

むしろ

これまでの、

自分のパーソナルな部分と社交性の部分の

垣根をすんなり突破して

なんの違和感もなく

自分の中に入り込んで来た彼に

全てを委ねていた

 

そんな濃密な付き合いが続く中

彼女は上京の準備を進めていた

 

同い年の友達もまた

それぞれの進路に向かって

同じ方向を見て

未来に思いを馳せた

 

その頃には

彼は家族の手前一旦夜になったら

寮に帰り、

夜中に家の裏の窓から入り込んで

彼女のベッドで朝を迎えるという

生活になっていた‥

気付いた両親に

彼だけ呼び出された事もあったが

付き合いは

変わらず続いていた

 

 

いよいよ上京する日がやって来た

 

朝に目覚め

彼は彼女にキスをする

そして身体を重ねる

そこには互いに

どんどん溢れ出てくる涙も

身体と共に重なっていた‥

 

『行って来ます』

『うん』涙でぐしゃぐしゃの彼の顔

 

遠距離恋愛が始まると思っていた。

 

そして

新天地での彼女の新しい生活が

始まった

 

専門学校は

小伝馬町

古い寮に住む事になり

梅島という場所から

日比谷線

毎朝通っていた

 

当時はバブル真っ只中

 

電車の中にも

ジャンフランコフェレの香水を

身に纏い

ボディコン、ワンレングス

の装いで

すまして乗車している女性を見かける

 

彼女は心のどこかに憧れの様な気持ちを

持っていた

 

彼女は新しい学校で仲の良い友達がすぐに

出来た。

 

放課後には

古い寮に彼女達が遊びに来たり

地元の友達が

就職研修で上京してる時など

一緒に銭湯に行ったり

寮の大家さんに

ファミレスに連れて行って貰ったり、

出張中の父親が遊びに来たり、

何かと相変わらず友好的な

生活を送っていた

 

やがて少しずつ生活にも馴染んで来たある朝

彼女は体調が悪く起き上がれなくて

学校に欠席の電話をかけた

(なんなんだろう?この体調‥風邪でもない)

 

そろそろ

ゴールデンウィークを迎えようとしている

頃だった‥

 

上京して

初めてのゴールデンウイークが

運命がひっくり返る事なるなんて

誰も予想していなかった‥

 

続く